期間:2011.02.25〜27
会場:高円寺・明石スタジオ
役者兼脚本家兼演出家の永田剛志さんが、安田繁長さんと新たに立ち上げた劇団Re;Dynamiteの旗揚げ公演である。永田さんの作品としては「画用紙」以来久々の現代劇。
<Introduction>
智、駿介、こだまの三人は学生時代からの腐れ縁。
しかし駿介とこだまの結婚を機会に、いつの間にか疎遠になってしまっていた。
ある日、数年ぶりに駿介夫妻と再会した智は二人の間にぎこちないものを感じ取る。
勝気で男勝り、弱みを見せないこだまを心配した智は、SNS「Breeze」を使って彼女の相談相手となることを思いつく。
「智」という男性ではなく、「サトミ」という女性として。
ところがそんな「サトミ」に、そうとは知らず駿介が「Breeze」で手を出して…。
かくして男二人、女一人の三角関係は、思わぬことからインターネットで男一人、女二人の三角関係に発展する。
インターネットの向こうとこっちでもつれ合う微妙な微妙な三角関係。
ところがそれは、全世界を巻き込む巨大な騒動の発端でもあった…。
…とチラシにはあるが、三角関係云々は本筋ではなく、ネット空間を舞台にしたSF系の話である。まあ、チラシの内容と芝居本編が違うなんてよくある話だが(笑)。
主人公3人よりむしろ、ハヤテ(関佑太さん)、キッカ(工藤香さん)、シンデン(永田剛志さん)の方が微妙な三角関係っぽい。で、そのハヤテのキャラクターがほとんどシャア・アズナブル、しかも「逆襲のシャア」バージョンだったのが面白い。
役者さんの中で最大のインパクトを残したのは、まーとん役の中井勝信さん。とにかくアクションが凄かった。ジャッキー・チェンの映画にありそうなアクションが目の前で生で見られたという。
本作では、キーボードやモニタなどのインターフェースを意識することなく、五感を使ってネットにアクセスできるダイブシステムというのが登場する。ダイブシステムを使ったネットアクセスでは、脳をフル稼働する必要があるらしく、ある程度の時間を越えるとオーバーヒートで脳がコゲる(爆)。キッカのみは特異体質で、時間に関係なくダイブしていられる。
物語のクライマックス、脳がコゲるタイムリミットが迫る中、シンデンが時間を稼ぐために取った方法が実にローテク(笑)。こういうの大好き。
永田さん脚本と言えばマニアネタ。今回は仮面ライダーからOOO、カブト、電王、555。既に持ち歌のダンクーガのBGM。さらにオープニングムービーの縦スクロールコメントになぜか紛れてたゴライオン。
中でも一番インパクトがあったのは、必殺剣として出てきた天空宙心剣(マシンロボ)である。それは拳法の流派の名だ(笑)。
なんとなく続編がありそうな終わり方だった。いっそのこと、前日談・後日談と合わせて3部作に…(笑)。